二胡は中国の楽器で擦弦楽器の一種です。2本の弦を間に挟んだ弓で弾きます。主に老紅木で作られた琴筒はニシキヘビの皮で覆われているため、国外から持ち出す場合は色々と面倒な手続きが必要になります。二胡の原型は、唐代〜宋代にシルクロードを経由して西方より伝来したとされています。その後劉天華などにより改良を重ねられ、現在普及している形は、1950年代から80年代ごろに出来上がったものが基本となっています。近年では日本でも二胡がよく知られてきたため、全国に二胡を弾く人が増えてきています。

勤務先の日本語に堪能な中国人スタッフによると、私の二胡に彫られている文句を日本語に訳すと大体このような意味なのだそうです。この「塔=虎丘塔」は蘇州郊外の有名な景勝地です。そこに雲岩寺があり、境内にある岩山を登ったところに虎丘塔があるそうです。私にはこの詩に何か特別なものを感じます。この詩人は二胡を弾くために寺に行ったのでしょうか。私も寺で弾くことが多い上、参禅でも寺にはよく参りますから、自分の二胡を「寺弓(じきゅう)」と名付けました。大事に弾いていきたいと思います。

 

初めて二胡の音色を耳にしたのは、高校3年生の時に観た映画「ラストエンペラー」でした。あの独特のもの哀しい音色は当時中国史、中国哲学に深く傾倒していた私の心の琴線に触れました。

2007年の2月、父が急逝の折、ふと、あのもの哀しい音色が脳裏の奥深くから聴こえてきました。そしてすぐに師を探し、二胡を求めました。その時初めて自分の楽器を持ちました。

武芸は所詮、人を殺める術に尽きますが、音楽は人を癒します。時折、武器を二胡に替えて雅ぶのもいいものです。もっとも雅びやかになるには、まだまだ時間が掛かりそうです。